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出前授業について

出前授業とは?今、出前授業が注目されている理由やメリットを解説

「出前授業って何だろう?」
「学校で企業に出前授業をしてもらうメリットってあるのかな?」
「小学校で出前授業を担当するけれど、ポイントは何だろう?」

出前授業を経験している方は学校にも企業にも少なく、出前授業のメリットやポイントがイマイチつかめない方も多いです。
そこで、今回は出前授業のメリットやポイントを解説していきます。
出前授業は、授業を受ける「学校」にも、授業を提供する「企業」にもメリットがあります。
そして、学校と企業のお互いが出前授業のポイントを押さえて実施できれば、子どもたちへの教育効果を最大限に伸ばすことが可能です。
1つの出前授業が子どもの未来を大きく変えるといっても過言ではありません。

ぜひ、出前授業のメリットとポイントを知り、子どもたちがキラキラ輝く出前授業を実施していきましょう!

出前授業とは?

出前授業とは、「企業やその他の団体等がゲストティーチャーとして学校などの教育機関に出向き、教科書(学校)の枠を越えた専門的な分野を授業すること」です。
学校は、外部から講師を招き、教科書の学習内容の深堀り、または教科書外の学びを子どもたちへ提供することで、学習効果を高めたり、教育目的を達成したりするために出前授業を利用しています。

例えば、電子部品、機器を扱うメーカー企業は太陽電池や環境問題について、銀行や金融の企業はお金の大切さを伝える授業、会社の経営者は起業の経験を交えながらチャレンジする意義についてのお話、といったように、事業や企業理念、経験などと教育を関連付けて授業しています。

これまで、企業や団体が学校に出向いて直接授業をする形式が主流でしたが、最近では教育現場でデジタル化が進んだこと、また、感染症の流行等によりオンラインで開催する形式も増加しました。

そのため、全国の子どもたちがさまざまな授業を受けることが可能になりました。

出前授業のメリット

ここからは、出前授業のメリットを「学校」と「企業」に分けて解説していきます。

学校側の出前授業のメリット

① 子どもたちが各分野のプロから学べる

出前授業の一番のメリットは「プロ」から発展的・専門的な内容を学べる点です。学校の先生よりも「詳しい専門家・プロ」というだけで、子どもたちはキラキラと目を輝かせて授業を受けます。普段は学校の授業に興味をもてないような子どもも、出前授業になると体を前のめりにして学習するという話はよく耳にします。

② 教科書(座学)では学べないことが学べる

出前授業で学習する内容は、教科書で学べないことばかりです。教科書に掲載されている学習内容を実際に体験したり、普段は考えないようなことを考えたりして、子どもたちは学びを深めていけます。
出前授業の中で子どもたちは、日常では想像しきれない考え方や発想に出会い、気付きながら、学びを深めたり、自分で考える力を育んだりすることができます。

親や先生以外の大人と触れ合うこと自体、子どもたちにとって新鮮で刺激的な経験になり、新しい発見につながります。

③ 学びと生活のつながりを実感できる

教室(教科書)での学習では、学びと生活とのつながりに気づきにくいです。
しかし、出前授業では、学びと生活のつながりを実感できます。
例えば、子どもたちが大好きなゲーム。
大好きなゲームが学習している内容とつながったら、子どもたちの学びへのモチベーションは向上します。
ゲーム関連の出前授業では、以下のような学習とのつながりが考えられます。

  • ゲームのプログラム→プログラミング、構想力
  • ゲームの制作・アイディア→国語の論理力、図工の発想力
  • ゲーム機の素材(液晶、半導体など)→化学、物理

子どもたちは学びと生活のつながりを実感すれば、好奇心が生まれ、勉強に楽しさを見出し、主体的に学ぶ意欲を引き出せる可能性があります。

机に向かい話を聞くだけでは、その学習が生活や将来にどういう意味を持つのか想像することはなかなか難しいものです。出前授業を通して勉強と生活や社会・仕事との結びつきを身を持って学べば、普段の学習意欲が向上するだけでなく、将来の夢を持つきっかけにもなります。

企業側の出前授業のメリット

企業にとって出前授業は利益とのつながりを実感しづらい上、人材の確保や費用などで少々負担を感じやすいようですが、メリットも多いです。

① 自社の知名度の向上、ブランディングにつながる

出前授業を通して、自社の商品 やサービスを知ってもらう機会になります。特に高校生はSNSなどの発信力を備えているので、商品のよさが自然と広がったりします。小中学生の子どもたちも「今日の出前授業で〇〇という商品を知ったよ!」「△△は調味料で有名な会社なんだね!」といったように、企業や商品の魅力が家庭に広がり、企業の宣伝が期待できます。

② CSR活動としての意義

「CSR(Corporate Social Responsibility)」という言葉をご存知でしょうか。

厚生労働省によると、CSRとは、企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方です。
引用:厚生労働省HP「労働政策全般:CSR(企業の社会的責任)」

出前授業はCSR活動の一環に位置づけられます。
出前授業を通して、子どもたちが企業や社会、あるいは日本に魅力を感じ、生きる希望を得られたら、出前授業は立派な社会貢献活動です。
また、出前授業を通した社会貢献は企業のイメージアップや信頼度アップにつながります。

③ 社員のエンゲージメントの向上

出前授業を行うことは、社員のエンゲージメントを向上させることにつながります。エンゲージメントとは、会社への愛着や信頼、ポジティブな感情のことです。出前授業では、企業の社員が講師を務めることになりますが、講師経験を通して社員は会社を客観的に見つめ直し、業務を深く理解したり、新たな一面を知ったりと自社の魅力を再認識することができます。
また、子どもたちや先生から感謝の言葉をかけられることも多く、社会貢献を意識するようにもなります。
仕事に誇りを持てるようになり、社会や自社に貢献したい意欲が芽生え、モチベーション向上につながります。

④ 商品・サービスの質を高められる

出前授業を実施すると、消費者インサイトを得られます。
消費者インサイトとは、「消費者自身でも認識していない本音や感情、動機」をいいます。
「ゲームは楽しいから欲しい!」といった顕在化した消費者のニーズはつかみやすいですが、消費者自身も気づかない本音や感情は把握しにくいです。
出前授業では、普段のマーケティングからは得られないような意見や反応が得られる可能性があります。

特に子どもたちの意見はとても素直で貴重です。
子どもたちは「〇〇のような商品があったらいいのに・・・」という感情を大人以上にもっており、かつアイディアが豊富です。
子どもたちの素直な意見から、商品開発やサービス向上のヒントを出前授業を通じて得られます。

出前授業を成功させるポイント

学校側の出前授業のポイント

① 打ち合わせを入念に

学校は企業の講師が気持ちよく出前授業を実施できる環境を整備します。
打ち合わせでは以下の事柄を確認します。

  • 日時(授業時間、来客時間)
  • 講師の人数
  • 用意するもの(PC、プロジェクターなど)
  • 料金(授業料・交通費)
  • 教室や駐車場などの場所の確保(他学年や管理職への確認)
  • 質問時間の有無
  • 出前授業の流れと注意点

この他にも、授業によって確認事項は異なります。

②子どもたちへの事前指導

企業との打ち合わせから、出前授業の前に子どもたちに伝えることを整理します。

  • 出前授業の予備知識を確認
  • 出前授業での注意点
  • 当日、質問をしたいこと(日ごろから疑問に思っていること)の確認
  • 出前授業を受ける心構え

出前授業が子どもたちにとってより深い学びにつながるよう、環境を整えていきましょう。

③ 授業後の振り返り、企業への御礼

出前授業が終わったら、授業で学んだ知識がしっかり定着するように振り返りの時間を設けましょう。
また、企業へのお礼は忘れずに。企業によっては感想やアンケートを集計したいというケースもあるので、依頼されたら子どもたちに感想を書いてもらい、後日企業に送ります。

企業側の出前授業のポイント

① 教える内容は簡潔に

出前授業の講師となって授業の準備をしていると、子どもたちに教えたいことがたくさん出てきます。
重要なのは、「たくさん教えすぎないこと」です。
その分野の専門家らしく、「難しいことを簡単に教える心掛け」をしましょう。
特に、教えたい気持ちが強くなって長時間話した結果、子どもたちの集中力が切れたり、結局何が言いたかったのかわからなかったなんてことにもなりかねません。
「子どもファースト」で授業を準備していきましょう。

② 子どもたちの発達段階を考慮する

発達段階によっては、ひらがなを多めに使った資料を用意したり、教具を用意したりしましょう。
小学校でも、1年生と6年生では知識や経験に大きな差があります。
また、音や匂いに敏感な子どもも中にはいますので、そういった子どもの特性に配慮しながら準備できると企業の信頼感が増します。

③ 体験を多く取り入れる

子どもたちは普段の授業とは違った授業を出前授業に期待しています。
その子どもたちのワクワクに応えるために、体験活動を多く取り入れましょう。
子どもたちにとって五感をフル活用した体験活動から得たものは、一生ものです。
思い出としてだけでなく、生きた知識として子どもたちに刻み込まれます。

④クイズを取り入れるのもおすすめ

体験活動が少ない出前授業は、クイズを取り入れてみましょう。
子どもはクイズが大好きです。
選択式のクイズであれば、どんな子どもでも参加しやすくなります。
以下のタイミングにクイズを取り入れ、子どもたちが楽しく出前授業を受けられるようにしてみましょう。

  • 出前授業の始めに(授業のツカミとして)
  • 子どもたちが疲れてきた時・集中力が無くなってきた時
  • 出前授業のまとめに(出前授業で学んだことをクイズで確認)

出前授業を実施するまでの流れ

学校の先生方は7つの手順 で出前授業の申し込み、実施ができます。

  1. 出前授業どっとこむで目的の出前授業を検索する
  2. 目的に合った出前授業を選択し、内容を確認する
  3. 必要事項を入力して申し込む
  4. 企業側から連絡を受け、打ち合わせをする
  5. 打ち合わせをもとに、子どもたちへの指導や準備をする
  6. 出前授業を実施する
  7. 出前授業の感想・アンケート等、料金をまとめて企業へ送る

希望する出前授業によっては追加のステップが必要ですが、7ステップを踏んでいけば子どもたちも先生方も安心して出前授業を実施できます。

出前授業どっとこむを使って出前授業を実施しよう!

本記事のまとめを以下に掲載します。もう一度、おさらいしましょう!

学校側の出前授業のメリット

  • 子どもたちがその分野のプロから学べる
  • 教科書(座学)では学べないことが学べる
  • 学びと生活のつながりを実感できる

企業側の出前授業のメリット

  • 自社のPRになる
  • CSR活動としての意義
  • 社員のエンゲージメントの向上
  • 商品・サービスの質を高められる

学校側の出前授業のポイント

  • 打ち合わせを入念に
  • 子どもたちへの事前指導
  • 授業後の振り返り、企業への御礼

企業側の出前授業のポイント

  • 教える内容は簡潔に
  • 子どもたちの発達段階を考慮する
  • 体験を多く取り入れる
  • 困ったときは、クイズにしてみる

ぜひ今回の記事を参考に、子どもたちが笑顔になる出前授業を実施してください!

この記事を書いた人

出前授業どっとこむ編集部

本記事は、教育関係者向けに最新情報を発信する「出前授業どっとこむ編集部」が制作しました。教育トレンドや実践的な指導方法について、多くの先生方に役立つ情報を提供しています。

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