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健康・医療 

【株式会社シード】目やコンタクトレンズの仕組みを学び、“みえる”を深める

【株式会社LIXIL】子どもが日常に潜む”キケン”から自分自身を守る力を育むためにできること

毎日あたりまえに使っている「目」。でも、目の健康について考える機会は、意外と少ないかもしれません。

「子どもたちに“見える”ことの仕組みや大切さを伝えたい」

そんな想いのもと、出前授業を届けているのが株式会社シードの及川さんです。今回は、この出前授業に込める想いや取り組みについてお話をうかがいました。

想いを語ってくれた人

株式会社シード
コーポレートコミュニケーション部 サステナビリティ推進課 課長

及川 智仁佳(おいかわ ちにか) さん

CSRやSDGsなどのサステナビリティ分野をメイン業務とし、社会的課題や社会要請に対応。また地域連携にも力を入れ、各イベントへの出展、XやTikTokのSNS運営も行っています。

「見える」のしくみを学び、目の大切さを知る

株式会社株式会社シード_インタビューの様子1
写真左から:及川さん、佐藤さん

ー はじめに、御社の事業内容についてご紹介いただけますか?

当社は、国内のコンタクトレンズメーカーとして、製造・販売を行っています。
『多様な「みえる」喜びを創造できる社会を実現すること』を経営理念に掲げ、日本だけではなく、欧州・アジアをはじめとする世界のお客さまに寄り添い、「みえる」の先にある喜びと感動を届けられる社会を目指しています。

日々の仕事の中で、視力の問題というのは単なる身体的なことだけではなく、生活や感動とつながっているということを感じます。製品を提供するだけではなく、社会全体に「みえる喜び」を届けることが私たちの使命だと考えています。

ー どのような出前授業を提供されていますか。

コンタクトレンズって何だろう?
~目の不思議について学ぼう~

コンタクトレンズや「見える」について、実験を交えながら学んでいたただく授業です。目の健康や、コンタクトレンズの正しい使用方法の啓発を目的としています。

株式会社株式会社シード_出前(出張)授業の様子1

ー 具体的な内容や特長などについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

基本的には、大きく二つのパートに分けています。
ひとつは目のしくみを学ぶパート、もうひとつはコンタクトレンズや光の屈折を体験するパートです。
まず、目がどのように「見える」仕組みになっているのかを説明し、正視・近視・遠視の違いを理解してもらいます。その上で、光の屈折について説明しながら、メガネやコンタクトレンズによってどのように見え方が変わるのかを学んでいただきます。学生でコンタクトレンズのデビューをする方も多くいらっしゃいますので、コンタクトレンズやケア用品の正しい使い方についても紹介しています。
正しいと思っていた使い方が、実は違っていたということが意外と多く、正しい使い方を守ることは、目の健康のためにとても大事です。

目やレンズの仕組みを学んだあとには、体験活動をします。この体験活動もいろいろと取り入れています。
普段の生活では触れる機会が少ない検眼レンズやコンタクトレンズを用いて、コンタクトレンズの薄さ、丈夫さを実感したり、乾いたコンタクトレンズに水分を吸収させてやわらかくしたり(膨潤といいます)、レジンでレンズを作って、実際に光の屈折を見たり…
こうした体験を通して楽しみながら理解を深めていただきたいと思っています。

学年に応じて授業内容をカスタマイズもしています。
小学生向けには、動物の目の見え方や、「目に良いこと・悪いこと」の○×クイズなどを交えて、楽しみながら目の大切さに気付いてもらえるように工夫しています。
中高生向けには、目の構造や視力低下の原因、コンタクトレンズに関する知識など、少し専門的な内容も取り入れていますが、簡単なクイズや体験を通して理解しやすくしています。また、SDGsついても触れ、当社が実際に行っている取り組みや、子どもたち自身が日常で取り組めるSDGsについても紹介し、学んだことを生活につなげられるようにしています。

ー 御社が出前授業を始めたきっかけや背景を、ぜひお聞かせください。

もともとは社会貢献活動の一環として、埼玉県のシード鴻巣研究所に隣接した複合型保育施設で、子どもたちに理科実験教室を提供したり、地域の子どもたちを招いて工場見学を行ったりしていました。
これらの活動を通じて、子どもたちに理科の楽しさを伝えてきました。
しかし、コロナ禍を経て社会全体が大きく変化する中で、企業も新たな形を模索する時代になり、当社では、コンタクトレンズの啓発、そしてSDGsについて学ぶことを通じて、次世代教育にさらに力を入れたいと考え、2023年から出張型の出前授業を開始しました。かねてより、「学校で出前授業をしてみたい」と考えていたところ、出前授業どっとこむ様からお声がけいただいたことがきっかけにもなりました。

私は、出前授業の立ち上げから携わっていますが、部下の佐藤と一日中プログラムを練り、資材も一から作り上げました。長くこの業界にいる分、私たちには当たり前の専門用語も多く、どうすれば子どもたちにもわかりやすい言葉で伝えられるか、という点にも頭を悩ませました。 資材を作っていると、他部署の社員が「何してるの?」と寄ってきて、一緒に作ってくれたり、お菓子を差し入れてくれたりして(笑)。始めるまで本当に大変でしたが、みんなが応援してくれることが嬉しく、少しずつ形にしていくことができました。

この時期を経て、結果的にこの出前授業が、会社全体で取り組むCSR活動の一つになりました。大変だったころも懐かしく思えるまでになり、今では始めて良かったと心から思います。想いを込めて作ったこの授業を通して、子どもたちが、自分の心で感じ、考え、気づきを得られるような時間を過ごしていただけたら嬉しいです。

コンタクトレンズを通して、目と未来に向き合う時間

株式会社株式会社シード_出前(出張)授業の様子2

ー よりよい授業を届けるために大切にしていることや工夫があれば教えてください。

基本的に1時間30分のプログラムのため、座学だけでは子どもたちの興味を引き続けることが難しいと考えて、手を動かす体験を多く取り入れています。子どもたちに飽きずに学んでもらえるよう、そして楽しいと思ってもらえるよう、内容には特にこだわっています。

事前に学校様からご要望をいただく場合は、プログラムの内容を調整して授業を行うこともあります。最近では、コンタクトレンズのケア用品の正しい使い方を知りたいというお声をいただくことが増えてきました。

私たちの授業で実際に検眼レンズやコンタクトレンズに触れてもらうことで、コンタクトレンズが高度管理医療機器であることを改めて理解する生徒さんも多く、正しい知識を身につけるきっかけになっている様子を見ると、とても嬉しく感じます。

ー 出前授業に携わることのやりがいや魅力は何ですか?

目の大切さやコンタクトレンズのメリット、正しい使い方などを、子どもたちや親御さんに直接伝えられることに一番やりがいを感じています。

授業でユーザー様と出会えてコミュニケーションを取れることもあり、私たち社員にとってモチベーションに繋がっています。「シードのコンタクトレンズを使っているので、申し込みしました。」と言っていただけることもあります。社員としてこれほど喜ばしいことはありません。
出前授業終了後にアンケートにもご協力いただいていますが、「満足度」と「リピートしたいか」という項目がどちらも97%と高い評価をいただいています。様々な場面で求められていることを実感できることが、より私たちの原動力になっています。

ー 印象に残っている授業やエピソードがあれば、ぜひお聞かせください。

株式会社株式会社シード_子どもたちからのメッセージ1

そうですね…たくさんありますが、授業を終えた子どもたちからお手紙をもらったことが一番嬉しかったです。先生から帰り際に引き留められたため待っていたのですが、授業終わりにその場で子どもたちが書いてくれたようでした。

「将来シードのコンタクトレンズを使ってみたいです」
「シードで働いてみたいです!」

というお手紙や、言葉をもらうと、本当にやりがいを感じますね。そのお手紙は会社に戻ってから、他の部署の社員にも見てもらえるよう飾ったりしていました(笑)。
もちろん、将来子どもたちの目が悪くならないことが一番ですが、初めてコンタクトレンズに触れるとき、実際に使うとき、少しでもシードの授業を思い出してくれたら嬉しいです。

学校公開日に呼んでいただくことも多いですが、親御さんの方が真剣に話を聞いてくださる場面もあります。
それだけ近視人口が増加していて、目への関心度が高いのだと思います。 お子さんを想う親御さんの姿は強く印象に残りますし、近視予防や正しい知識の啓発は、当社の重要な責務でもあると認識しました。

ー 及川さんにとって、出前授業はどのような存在ですか?

シードに入社して以来、これほど多くの子どもたちと関わる機会があるとは思っていなかったので、毎回新たな刺激をもらっています。出前授業の応募も「5件ほど来たら嬉しいね」と部署内で話していたのですが、今ではキャンセル待ちが出るほど多くの学校からお声がけをいただき、本当にありがたい限りです。

近視の低年齢が進んでいると文献では読んでいましたが、実際に学校に足を運ぶとメガネをしている子が思ったより多く、子どもたちの近視増加を肌で感じます。
将来子どもたちが目の見えにくさに左右されることなく、生き生きと過ごせるように、少しでも多くの子どもたちに正しい知識と気づきを届け、目の健康への意識を広げていくことが私の使命だと心から思います。

子どもたちの未来を守る、目の健康の伝え方

株式会社株式会社シード_出前(出張)授業の様子3

ー 今後、出前授業をどのように続けていきたいとお考えですか?

人員の関係から現在は1都3県のみの実施ですが、全国への展開を望まれる声もありますので、広く届けられるよう検討をしています。

コンタクトレンズの装用年齢が低年齢化していることもあり、使用者側のコンプライアンス意識がより求められる時代になりました。ファッションでカラーコンタクトレンズを使う方も増えていますよね。カラーコンタクトレンズも、透明のコンタクトレンズと一緒で、承認がとれているもの、定期的な眼科検診などコンプライアンスを守っていただければ使い続けられるものです。

正しい使い方を一人でも多くの方に知っていただけるよう、今後もSNSなどを活用しながら、出前授業の様子を発信し続けたいと考えています。

ー 子どもたちに届けたいメッセージをお願いします。

「体験格差」という言葉が広まっていますが、私たち企業としても解決すべき大切な課題だと考えています。より多くの子どもたちが楽しく学べる環境を提供できるように、日々内容をアップデートしながら出前授業を行っています。この出前授業を通じて見える喜びを改めて実感することで、日々、目の健康を考えながら生活できるようになってほしいと願っています。

目は唯一体の表面に出ている臓器であり、人間が受ける情報の80%以上は「目」からと言われています。今はデジタルデバイスの普及により、たくさんの情報で溢れていますが、直接自分で見て感じたものは何よりの財産です。自分の目で確かめ、正しい判断ができる大人になってください。

ー 最後に、日々教育現場でご活躍されている先生方へ、何かひとこといただけたらと思います。

スマートフォンやタブレット端末の普及により、子どもたちを含め現代人は毎日「目」を酷使しています。近年では、裸眼視力が1.0未満の小学生の割合が増えつつあり、2050年には世界人口の約50%が近視になると予測する学術発表もあります。
カラーコンタクトレンズの普及などにより、コンタクトレンズが身近な存在となり、使用する際の心理的ハードルも下がってきました。そのため、使用者のコンプライアンス低下が大きな問題となっていることも事実です。
こうした背景を受け、国内で初めてコンタクトレンズの研究を開始した株式会社シードでは、子どもたちに「目の健康」について教える出前授業を実施しています。

人生100年時代、若いうちから「目」の大切さを知ってもらい、長く健康に過ごせる未来を迎えられるよう、子どもたち一人ひとりに寄り添った授業を心がけています。
少しでもシードの出前授業に興味をもっていただけた方は、出前授業どっとこむ内で「シード」と検索していただけると嬉しいです。また、公式SNSでも、コンタクトレンズライフがもっと楽しくなる情報発信をしていますので、こちらもあわせてぜひチェックをお願いします!

まとめ

子どもたちが目の仕組みやコンタクトレンズの正しい使い方を学びながら、みえることの大切さに気づく授業です。

検眼レンズやコンタクトレンズに触れたり、光の屈折を体験したりすることで、子どもたちは自分の目や生活について自然に考えられるようになります。授業を通じて、見える喜びや目の健康を大切にする意識が少しずつ芽生え、将来にわたって目の健康を守る習慣を身につけるきっかけになる授業です。

及川さんありがとうございました!
株式会社シードの出前授業の詳細はこちらからご覧ください。

この記事を書いた人

出前授業どっとこむ編集部

本記事は、教育関係者向けに最新情報を発信する「出前授業どっとこむ編集部」が制作しました。教育トレンドや実践的な指導方法について、多くの先生方に役立つ情報を提供しています。

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